鳥の映画

インコが主役の映画ってとっても少ないんですけど
私が大好きな鳥映画を紹介します。

【「ポーリー」 1998年公開 アメリカ 配給:ギャガ 91分】

ポーリー [DVD]

ポーリー [DVD]

※ポーリーは、日本語でいうなら「ピーちゃん」みたいな
小鳥の一般的な名前です。

主演は、トガリオインコのポーリー。
実際のインコと、最先端技術アニマトロニクスで動く機械インコ、
アフラックもこの技術で動いています)
この両方を使って、かわいいインコ達が活躍するお話です。
もちろん実写で、人間も出てきます。

ただカワイイだけじゃなくて、お話が実によく考えられていて
なぜこの物語の主人公がインコで無くてはならないか
とても考えさせられ、かつ説教くさくない
賑やかで楽しい、ちょっと泣けるお話に仕上がっています。

DVDを持っていたんですが、現在行方不明なので
詳細が間違ってたらごめんなさい。
とにかく、小さいお子様から大人まで楽しめる
珠玉の良作なので、ぜひ見て頂きたいですが、
絶版になってるかもしれないので、レビューを書きます。

▼▼▼▼以下あらすじ(ネタバレありです)▼▼▼

ある黒人男性(名前忘れたごめん、中東系だったかも?)が、
職場の地下室で不思議なインコを発見します。彼の名前はポーリー。

覚えた言葉をオウム返ししているだけと思っていたら
自らの意志でしゃべっている事が判明。
「口は災いのもと。もう喋るのはやめた」というポーリーでしたが
黒人さんは、ポーリーが自力で話せるということに素直に大感動。
鳥のキャラクターにありがちな「理屈っぽくて意地悪で口の悪い」ポーリーですが、
心優しい黒人さんに促され、これまでの人生を話して聞かせることにしたのでした。

ポーリーの最初の飼い主は、マリーという幼い女の子。
彼女は吃音症で、言葉を上手く発する事ができない。
他の子供が普通にしゃべれるのに、自分の子供は... と思った両親は
その事で度々喧嘩をし、それを見たマリーも心を痛め
さらに病状が悪化する、という悲しい日々でした。

それでも「こ、こ、ことり、さん、こんに、ちわ」と
一生懸命語りかけてくれるマリーが、大好きになったポーリー。
自力で人語を話せるポーリーは、マリーに言葉を教えてあげる事にしました。
少しずつ上手に話せるようになってきた頃、
「ポーリーは人の言葉が話せる」と言うマリーが心配になってきた両親は
ポーリーをどこかにやってしまおうとします。

(ポーリーが車で連れ去られる時、マリーが
 「ポーリー行かないで〜!飛んで帰ってきて!」と、追いかけながら泣くんですが
 今これ書いてても、思い出し泣きしちゃうくらい辛いシーンです。グスン)

ここから、ポーリーの大冒険?がはじまって
マリーの元に戻るために旅をする、賑やかなロードムービーになります。
旅先での出会う人々にも、それぞれの人生があり
「人が話をして分かり合おうとすることはいかに大切か」
「人生には必ず終わりがあり、それまでをどう生きるか」
など、一つ一つのエピソードも見所です。
(詳細は、フワッとしか覚えてないので割愛します...)
出会いと別れを繰り返しながら、色々な人生を垣間みるポーリーなのでした。

まあ、色々あって、結局マリーの元に戻る事はできず
この地下室に実験動物として捕われてしまっている、というポーリー。
これまで、自分が喋れるという事で、すべての災いが起こったと話すポーリーを
黒人さんは、自分が解雇されてしまうことも構わず
地下室から連れ出し、マリーの元へ連れて行ってくれます。

ついにマリーと再会するポーリー。
ポーリーを忘れることなく、涙を流しながら出迎えてくれたのは
幼い少女ではなく、美しく成長したマリーでした。
マリーの美しさに一目惚れしてしまう黒人さん。
そこでポーリーは、「勇気を出して、想いを言葉で伝える事が大切だ」
「今言わなければ、伝わらない事がある」と黒人さんを促し
彼はマリーに告白し、3人は心を通いあわせ
以後仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし!

▼▼▼▼▼▼▼▼

最後、ちょっと強引なんですが
それも微笑ましく見れてしまうストーリー展開!
(と、インコが意外と長命だというネタ。これは鳥好きがニヤッとする演出だよな〜!)

最初から最後まで、
「人が言葉で気持ちを伝えるという事は、いかに素晴らしい行為であるか」
というテーマが一貫され、それが
「人語を話すインコ」を通して、きちんと描ききられているのです。
確かに、意地悪で、ちょっと知恵がついているポーリーは
言葉が話せることによって、様々なトラブルに見舞われます。
「だから僕は、話すのをやめたんだ」と。

「災いは、自らの口から出て身を滅ぼす」という言葉があるように
言葉というのは諸刃の剣です。
人の気持ちも考えず、思った事をなんでも口にしたり
ここぞという時ですら、傷つくのを恐れて何も言わなかったり。
言葉というのは、難しく、恐ろしいものだけれど
それ以上に、想いを伝えるという行為は、素晴らしいものだと教えてくれます。

この可愛らしく、小憎らしいオウムの人生に
言葉の持つ力の危険さ、素晴らしさが詰まっているんです。
笑って泣けて、はっとさせられる素晴らしい映画です。
ご家族で観て、見終わった後に、言葉の大切さを話し合うのもいいと思います!